アルビトロの部屋

-第10回-



フ〜ン、フフン♪フフフン、フ〜ンフフン♪ フフフ……

ごきげんよう。
皆、元気にしていたかね。

何かと忙しい私だが、君たちが寂しがっているのではないかと思ってな。
こうして仕事の合間を縫い、無理矢理にでも時間を作って
会いに来てやったというわけだ。

今日という輝かしき日の幸運に、感謝したまえ。








さて、早速だが、優しい私は久しぶりの登場だというのに
君たちにプレゼントを用意してやった。
神のように崇め奉ってくれてもかまわな、……ん?

………(キョロキョロ)
………(ガサゴソ)
………(ガバッ)

おかしい。
せっかく私のお気に入りのコレクションをプレゼントしてやろうと
用意をしてやったというのに。
もしや、処刑人どもか?
後できつく言ってやらねばいけないな。

おっと、こんなところに写真が。









なになに。
裏に、

「10月10日に行われた「Boy'sParty2005東京秋」のキラルブースの様子です。
 足を運んで下さった皆様、本当にありがとうございました!」


とあるな。








もう一枚は、……む!?

こ、これは……!!







こ、こいつ、以前にも私の真似をしていた男ではないか!!
このエレガントかつクールな衣装……
また性懲りもなく……

け、けけっ、けっけ、

汚らわしい!!!!!







はぁはぁ……






……おっと、つい取り乱してしまった。
まあ、私の飽くなき魅力に取り憑かれてしまった者がいたとしても、
別段おかしいことではない。

美しさは

罪だ。

フフフ……。













ん?
なんだねこの画像は。
……か、仮面、禁止だと!?

なんたる暴挙!
なんたる冒涜!
愚かしいにもほどがあるぞ!

仮面を禁止するなど……こ、この私の存在を否定すると言うのか!?

処刑人達を今すぐここに呼んでくるのだ!!!!
タコ殴りで八つ裂きの刑だ!!!






はぁはぁ……






……あぁ、私としたことが。また取り乱してしまった。
なにが起ころうとも、心のゆとりをなくしてはいかんな。
この時間が終わったら、狗とくつろぎのひとときを過ごすことにしよう。






さて、もう1枚あるな。







ふむ。
裏には、

「Boy'sParty2005東京秋で展示されたラフ画を、
 ほんの少しだけお見せしちゃいます!」


とある。


何やら耳と尻尾のついた妖怪が飛び交っているようだが、
一番手前の男、コレクションによいかもしれんな。






私からのプレゼントはなくなってしまったが、如何だっただろうか。
楽しんでいただけたかね?
悲しいかな、私はそろそろ仕事に戻らなければいけない時間だ。
君たちが泣き叫び、悲嘆に暮れる姿が目に浮かぶようだが、いたしかたあるまい。
またこうして時間を作り、会いにこようではないか。
その、

素晴らしい!!!

幸運に巡り会える日を、ぜひとも心待ちにしていてくれたまえ。

それでは、ごきげんよう。







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